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魔法のカクテル 3

작가: 煉彩
last update 최신 업데이트: 2025-08-21 21:42:32

「とりあえず、洗濯して、掃除して。三日間のメニューを考えよう」

 誰もいない部屋で呟く。

 一通り終わらせ、冷蔵庫の中を見る。

 やっぱり何も入っていない。

 孝介の指示で、作り置きをしないこと、食材などもできるだけ使い切ってほしいと家政婦さんにお願いをしている。子どもの頃、食中毒にあって具合が悪くなったことがトラウマらしい。

「調味料と……。飲み物しかないや。あとお米……」

 買い物に行こうと出かける準備をしていた時だった。

「誰だろう?」

 私のスマートフォンが鳴った。

 着信相手を見ると、姑からだった。また何か言われるのかな。

 嫌な予感満載で電話に出る。

「もしもし?」

<もしもし?美月さん>

「はい」

<昨日、孝介宛てに手紙が届いたのよ。そんなに重要な手紙じゃないと思うんだけど。もしも大切な内容だったら困るから、取りに来てくれる?どうせ家にいるんでしょ>

 最後の言葉にイラっとしてしまったが、今日、孝介は実家に寄ると言っていた。その時に渡せば良かったのに。

「あの。今日孝介さん、そちらに行ってないんですか?朝、着替えとか……。荷物を取りに寄るって言ってたんですけど」

<来てないわよ。確か……。今日から出張でしょ?着替えなんて、なんでこっちに取りに来る必要があるのよ。あなたが用意すれば良いことじゃない。孝介のスケジュールもわかっていないの?>

 出張であることには間違いがないんだ。

「すみません。わかりました。孝介さんに連絡してみます」

 朝、事故とかに巻き込まれてないよね。

<結構よ。私がやっぱり連絡してみるから>

 その後、ツーツーと急に電話を切られた。

「やっぱり苦手」

 性格がキツイところとか、孝介、お母さんに似たのかな。

 買い物、どうしよう。

 ここでしばらく待機していた方が良いのかな。

 孝介の実家に行くなら、スーパーとは逆方向で電車に乗らなきゃだし。

 カバンを置いて、ポスっとソファーに座った時だった。

 もう一度電話が鳴った。また義母だ。

「はい?」

<美月さん。孝介と連絡が取れたんだけど。今日こっちに来るなんてそんなこと言っていないって言ってたわよ。美月さん、私にウソをついたでしょ。専業主婦であるにも関わらず、美月が用意していなかったら出張先で買い揃えるって言ってたわ。可哀想に。どうしてそんなに気遣いができないの?>

 えっ、何それ?全然話が違う。

 言い返したいけど……。

 こういうこと、何度も経験してきた。

 けれど、言い返したところで私の主張は通らず、義母は孝介のことを信じるし。面倒だ。

「すみません」

<とりあえず、手紙も取りに来なくていいから。孝介が出張から帰ってくる時にこっちに寄るって言ってたわ!>

「はい」

 できない嫁に苛立っているのか、先程と同じように勢いよく電話が切れた。

「はぁぁぁぁ……」

 深く重い溜め息が出てしまった。

 なんかもう嫌。

 私の人生、こんな感じで終わっちゃうの?

 昔みたいに自由な生活に戻りたい。

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     そうだけど、違う意味でドキドキしちゃう。 シャンプーの良い匂いがするし。 幸せすぎて、顔の表情が緩み、口角が上がる。 迅くんをチラッと見ると、彼も会社にいる時とは違い、別人のような優しい顔をしている。 この時間が迅くんにとっても、気分転換になっていればいいな。…・――――…・―――「いやいやいや!!もう終わった!?」 私はいつ出てくるかわからない幽霊に怯え、迅くんにしがみついたままだった。「まだ終わってないけど。美月、ほとんど映画見てないじゃん」 私の様子にアハハっと笑っている。「見てないんじゃなくて、見れないの」 こんなの一人で見てたら、思い出して一人で眠れなさそう。「ていうか、そんなにくっつかれるとそろそろ俺も映画どころじゃなくなるから」  急に目線が鋭くなり、迅くんは私から離れ、パソコンの電源を落とした。「あっ。ごめん。私が怖いの見れないからっ!」「違う。美月に触れたくて、限界」 彼はそう言い、電気を消した後、私を押し倒した。「迅くん?」「イヤだって言っても、遅いから」 彼は自分の上衣を脱いだ。 あぁ、あの時と同じ表情だ。 薄っすら窓から漏れる光で顔が見える。  再会しても彼のことがわからずに、加賀宮さんって呼んでいた頃と。 悪戯に笑う彼に、身体を預けていた時と同じ――。「んんっ……」 息が出来ないくらいの強引なキス。「ふっ……。んんっ」 キスされながら、彼は私の敏感なところに指先を伸ばしていく。「美月の感じるところ、知っている」 彼は、私の感じるところを弄ぶ。「あっ、もっ!ダメッ!」 彼の背中に手を伸ばし、快感に耐える。「イッていいよ」 彼がショーツの中に指先を入れて、既に膨れている部分を優しく擦った。「あぁ!」 快感に耐えられず、私は絶頂を迎えてしまった。「美月。濡れすぎ」 彼は満足気に笑っている。「んっ……」 まだ小刻みに痙攣している身体に舌が絡まる濃厚なキスをされ、一回治まった衝動がまた彼を求めている。 そういえば、いつもイかされてばかりだ。 今思えば私が結婚してたから、彼なりに配慮してくれてたの?「迅くんも気持ち良くなってほしい」「えっ?」「迅くんも一緒に気持ち良くなってほしい」 一瞬動きが止まった彼だったが「わかった」  あれ?

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  • Love Potion   それぞれの行方 6

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